せんしゃの、なんでも雑記

「三日坊主」で終わった時は炎上させて下さい

天皇から勲章を授かったお爺、美空ひばりの服を縫ったお婆の話

今週のお題「憧れの人」

 「全くのへーぺーの巡査」から、叩き上げで、「警備警察のエリート指揮官」にまでのし上がった男

 

憧れの人は、俺の場合ですと、案外とても身近にいるものです。

俺のお爺(82)お婆(81)がそうです。

82の今でも、パソコンを使いこなし、

最新のPC雑誌を読んだりし、

録画した大量のBSチャンネルの番組を片っ端から見続ける、

俺のスーパーお爺のお話です。

 

凄く長くなるので、今回は、お爺にスポットを当ててお話します。

 

大雑把に申し上げますと。

 お爺は警備警察というところで、国家を揺るがす犯罪、今で言うなら「テロ攻撃」「極悪・重大犯罪」などから国を護るための作戦を計画する作戦参謀という大役を務め上げた男です。

退役した後、天皇から「瑞宝章」という栄誉ある勲章を賜りました。

 

経歴を追っていきますと、現役時代には、

①過激化した安保闘争での暴徒鎮圧、

 →学生に、火炎瓶をなげつけられそうになったそうです。

 

日本赤軍との戦闘を経験、

 →敵軍の拠点で装甲車がエンストしたそうです。袋叩きに合う前に脱出に成功したようで。

 

③あの有名な「浅間山荘事件」にも

 →本部に顔を出したりしています。そう、浅間山荘事件と言えば、あの、伝説の「カップヌードル」ですよね!!

お爺も、その時はじめて食べたそうです。氷点下10~20℃の現場では、本当にありがたかったと話しています。(因みに今でもよく食べています。醤油味が好きなようで)

 

④ 来日した国賓を護る、セキュリティポリスの警備計画を担当

 →護衛する国賓の中には、あの大英帝国のエリザベス王女、「片目のダヤン」、英国皇太子など、とんでもない方々ばかり。

国賓から「感謝のしるし」としてお爺が頂いた品の中には、上記にもあります「片目のダヤン」と称されたモーシェ・ダヤンから賜ったものありました。

動物の皮で丁寧に作られたいかにも高級そうな水筒でした。

 ダヤンは中東戦争で、司令官としてイスラエル国防軍を指揮し、イスラエルを勝利に導いた「片目の英雄」です。海賊のようなアイパッチがカッコイイ人です。

そんな男から、護衛計画全般が見事だったと賞賛され、感謝の品まで頂いたのです。

 

お爺の何がそんなに凄いのか。まとめると。

それは、学歴があるエリートのスタートではなく、「全くのへーぺーの巡査」から、叩き上げで、「警備警察の指揮官」にまでのし上がった男だったということです…!

 

 お爺、波瀾万丈の人生

 

 戦時中、空襲で実家を焼かれ、すべてを失った当時まだ中高生のお爺は、今でいうところの「ヤクザの下っ端」になりました。

ぐれちゃったんですね。家財が焼かれたために、昼間は日雇いで働き、夜は高校の夜学に通う。そんな生活をいつまでも続けていれば、確かにぐれちゃうのもわかります。

本当に腹にサラシを巻いて歩いている姿を、お婆が目撃していたり。

 

 しかし、その荒れた生活から、野垂れ死にしかねないと、お爺を不憫に思った、お爺の幼なじみでもあるお婆は、警察に入ることをお爺に勧めます。勿論、当時のお爺は「糞食らえだ」というほど警察が大嫌いだったのですが 、

・三食飯が出る

・衣服は支給され、寝るところもある

・安定して給料が出る

この正に「衣食住」すべてが整った環境は、当時でもなかなか無い、魅力的な労働環境だったようで、お爺は嫌々ながらも、警察に就職しました。

 

ここから、悲劇にまみれた青春を過ごしたお爺の、「人生逆転劇」が始まったのです。

確かに、一時は、単に「ぐれたチンピラ」だったお爺ですが、頭がとても実は良かったんですね。家が大変貧しかったので、進学は出来ませんでしたが、学校の先生からは「進学しろ」と怒られるほどだったそうです。

 

警察の内部試験には、試験がある度に毎回トップで合格。

職務を続けながら、常に帰宅しては勉強。勉強。勉強。

俺の母さん、お爺にとっての娘が生まれてからも、ずっとずっと勉強勉強勉強。

それをずっと繰り返しながら、出世を果たしました。

 

彼はこう言います。

「人を絶対信用するな。男は絶対に泣くな。チャンスを逃すな。そして己を見定めて、己と己を愛する人だけを信じろ」と。

若い頃に苦しんだ多くの経験からか、なかなか癖のある物言いですね。

お婆にはいつも「ひねくれ者」と呆れられていますが、彼の言葉には、それ相応の説得力があります。

 

お爺と一緒にお酒を呑むと、幾らでも逸話が飛び出しますが、すべてまとめて書くには、自分の文章構成力が足りません…。

 

今の「何もない自分」、「何も成し遂げられていない自分」。

そんな自分の小ささに、話す都度気づかせてくれます。

 

嘘のように聞こえるでしょう…が…本当のお話です…。

勲章の写真、今度お爺のお家におじゃましたら、撮りますね!

 

お婆の話は、またこんど!